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天狗と台風と我孫子 [アート]

 既に10/31に終了したが、神奈川県立歴史博物館の企画展
「天狗推参!」を29日に何とか駆け込み鑑賞。おおよそ、所謂
「天狗」の由来や変遷を様々な資料で辿っている。
勿論ここで観られたもの以外にもこうした観念にまつわる事物は
まだまだ膨大にあって、あくまでもひととおりの紹介ということなのだろうが・・・。
 
 この企画では、おそらくは自然の事象、現象に対しての
恐れや敬いの心情の蓄積が土着の信仰や仏教に由来する流れとの関係も含めて、
特段の対象化もなされぬまま、離合集散を繰り返してきた中世期までと、
それ以降の多少なりとも、まだもちろん科学的とは言えない、あるいは
その論考が印象批評の端緒的範囲ではあっても一定の宗教や民俗、人間心理を
含んだ分析と対象化の進む時期の双方が時系列的に紹介されていて
それが内容に幅と奥行き、またわかり易さをもたらしていたのは確かであった。
長い歴史を経て今に至る人間の心理に「天狗」は生き続けているようである。
 
 面白く感じたことのひとつに 一般に「テング」としてイメージされる
「鼻の高いテング様」は実は有翼、鳥貌、つまり西洋の悪魔的要素を持っていたり、
あるいはヒンズーのガルーダ、仏教では迦楼羅にも関係すると思われる
「鴉天狗」より後世に成立(源流と見られるものは平安期から存在した。
舞楽面の胡徳楽とか、猿田彦伝承が代表的)していることなど、自分としては
妙に合点のいくところもあった。もともとハナの長い強面のオッサンみたいなのが、
何だって神獣や天部に由来のありそうな存在(そもそも「カラステング」っていうのも
蔑視的で軽くて気の毒)よりえらそーなのか、不思議だったのだが今回、
飯縄権現などではそうではないことが確認できた。この辺りもあって全体に
かなり面白く、また興味深い展示であった。
 
天狗フライヤ.jpg

天狗フライヤ裏.jpg

 
 30日・土曜日は午後から夕方に台風接近とのことで、やむなく茅ヶ崎の
児童の美術教室を休止。11月に振り替ることとする。実際は思った程の
雨風ではなかったが、何より安全に万全を期すべきで諒とすべきだろう。
 
 31日。昨年と違って招待状まで頂戴したこともあって、2年ぶりに
我孫子国際野外美術展に出かける。初日でオープニングもあり、
またルートを巡って作品を鑑賞するとともに、作家本人の話も聞ける
レクチャーハイキングが催されたこともあって盛況で友人、知人も多い。
先般の自分達の藤沢・町中アートめぐりとの共通点と相違点がかなり
強く感じ取れたのは収穫。
 
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