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CBSドキュメントの放送終了について

 3月17日深夜(25時半頃〜)のTV放送をもって、TBS系で1988年より、
22年に渡り、続いて来た報道番組「CBSドキュメント」が終了となった。

 キャスターを音楽評論でも知られるピーター・バラカン氏と女性キャスター
(終了時は4代目・吉川美代子氏)がつとめ、アメリカCBS局の60minutes
(まれに48hours)の日本語版を取り上げていた。この長きを毎回欠かさずに
熱心に追って来た訳では全く無いのだが、たいへん残念に感じている。
 
 それは彼の国の報道の在り方を通して、アメリカ社会の歴史と現実に目を向けざるを
得なくなると同時に、翻っておのれの国の歴史、社会、暮らし向き、そして
それに関わるマスメディア、報道というものに関心を向け、何かを知ろうとする
意識が育まれた、大きなきっかけの一つであったことは間違いないからだ。

 連合いとは良く「こういう番組こそ、各世代を通じてより多くの人々、
特に若いというかこども世代が視易い時間帯に流すべきでは?」という
話をしてきた。とにかく少なくとも何回かに一回は、何人かは確実に自分の
足もとの現実に目を向けるきっかけになり得るだろうテーマが、米国内外に関わらず、
政治、経済、文化芸術など様々な領域、分野から幅広く、時に奥深くとらえられていた。

 極めて闊達で、時に過熱気味のアメリカの報道の在り方は当然賛否両論を生む。
しかしながらこの在り様は、すぐ隣の人ですら、人種、宗教、言語、思想信条、
そしてし好までが、遥かにこの国の私たちよりも「わからないことがあたりまえ」で
あることの上に築かれたものであることが確かなのだろう。そして、このことは凡そ、
「人間、ものごと、わかったつもりではわからないことの方が多い」と、
語りかけてもくる。
 あの番組を通じて存在を知った伝説的な記者、ウォルター・クロンカイト氏や、
近年ではTVごしにもその表情が印象的だったエド・ブラットリー氏ら、故人となった
優れた記者達の姿や声にふれる機会が大きく減ることになるのも寂しいことだ。
是非、放送の再開を強く望んでいる。


はねのある黒い蟲のひと.jpg

「はねのある黒い蟲のひと」
/ワトソン紙、ボールペン、チャコールペンシル、水性色鉛筆
  
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