「日中」「宵」/御舟展 [アート]
11/25。ようやく時間ができて、参加中の深川ラボ「行儀の悪い額縁」展へ。
今回タイミングを逸して作品写真を事前に撮れなかったのです。
「日中ー魔花蟷螂(ひなか−マノハナカマキリ)」中国製額付き絵、
サーフェイサー、金属、木紛粘土、不織布、スパンコール、アクリル、油彩、など
「宵−髑髏面型雀蛾(よい−ドクロメンガタスズメ)」中国製額付き絵、
プライマー、金属、木紛粘土、不織布、スパンコール、アクリル、油彩、など
以前、このブログでこの展覧会のDMを載せましたが、あれが元の姿です。
画像ではわかり難いが、なんと絵と額は一体に成形されています。
画面の緩い局面部分は金属か何かプラスティックで補強されている可能性も
有りますが、とにかくごちゃごちゃとキッチュな、同時に主題たる額は、
ポリウレタン(レジン)による注型でできています(硬化時に特有の気泡が
見とめられます)。一応絵は油性のペイント。これに手を入れるのは、
なかなか手強いことです。
この元絵、音楽に例えるならケータイとか古いゲームの思いっきしチャラい電子音。
にもかかわらず、旋律はクラシック。みたいな感が有ります。これにサンプリングで
他の音声を重ねていきます。一部は後述する主題に則った自作曲も重ねます。で、
もう一回既製品のキッチュでベタな音をまぶします。少なくとも異化機能を帯びて
来たような・・・。という2点です。もっと言えばアタマん中はプロディジーみたいな。
昨日は他にも阿部隆さん(SPCギャラリー)、後藤充さん(ギャラリーなつか)等の
展覧会をまわりましたが、前段で述べた関係で言えば、10月に広尾に移転した
山種美術館の速水御舟展にやっと行く事ができました。
昨年秋の平塚市美術館での展示と併せるとここ一年余り、御舟については
随分と充実した展示を観る事ができました。今回は重文である「炎舞」や、
初期の名作「錦木」関東大震災直後の「灰燼」急逝により未完となった
「婦女群像」等々、かなりみどころは多いですが、
「昆虫二題−葉陰魔手/粧蛾舞戯」という二点(今回自分の「額」展の「日中」と
「宵」はこの作品へのオマージュでもある。)も久方ぶりにみることができました。
「葉陰魔手」は日中、ヤツデに巣を張り、獲物を待つナガコガネグモが、「粧蛾舞戯」は
夜の灯りに舞うヤママユ、ヒトリガ、スズメガ等が描かれています。
昼日中、明るさの中に潜む死への闇。方や宵闇で煌めく生の躍動といった生と死の
コントラストは、長く深く心に刻まれ、在り続けてきました。
額絵も例えれば挿入された自作曲はそのあたりが主題です。
勿論、今回の自分の作品はそれに端を発してより広く深くそれら全般について、
真正面から全智全霊を傾けて挑んだものなどとは全く言う気も有りません。
難題故にあらかじめ探求よりも試しの気分が勝ってしまったようですから。
ただ今回、同時期に展示されたということは不思議で印象深かったのです。
(共に11月29日・日曜まで)。
2009-11-26 03:27
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