夕刻の気のもの/またはテラー・トワイライト [アートとアートロック]
「夕刻の気のもの」 ワトソン紙、ボールペン、水性色鉛筆
描いたこれをみてふと連想した、こういうのに会っちゃう夕暮れを
「逢魔ヶ時」と言うんだったな。英語では確か「テラー・トワイライト」か・・・。
と言うとアレだ。90年代アメリカのオルタナティヴの象徴的バンド、
Pavement(ペイヴメント)。
90年代初頭から活動を始めた彼らの、1999の5枚目にしてラストアルバムの
タイトルがこのテラー・トワイライトだった。所謂ローファイの典型的バンドだった
彼らの音は初期には、何ともぶっ壊れた感性をまき散らしつつもシニカルで
クールな佇まいを持っていた。当時シーンを席巻したグランジ系バンドすら
飲み込むコマーシャリズムや、ロックスター幻想とは最も遠い立場をとりつつ、
同時に凝り固まった頑迷なアングラ主義にも陥らず、というスタンスはその後、
後期まで一貫していた。私は後期から聴いてほぼ殆どのソングライターだった
リーダー(ボーカル、ギター担当)、スティーヴン・マルクマスのソロに魅かれ、
それから初期のものまで聴き込むというずれたリスナーだったのだが。
このラストアルバムは、具体的には彼らにしては最も整った体裁のつくりで、
ある意味例外的。故にか?つい最近、再評価の高まりもあって、ベストアルバムなどと
いう「らしくない」ものも出たが、そこにも1曲しか入っていないそうだ。
但し、決して駄作ではないので念のため・・・。
と言うか、彼らの正規作5枚には駄作は無いというべきか。個人的には
初期の勢いがありつつ、実に「らしく」ヨタっているのが2枚目。
マルクマスの優れたソングライティングが実感できるのは4作目だと思っている。
そんな彼らが先述した通り、このところの再評価の波に乗ったか再結成、
しかも来月、来日公演までの騒ぎとなっているのはちょっと驚き。コンサート、
行ってみたい気もするが一方、かってのテレビジョンの再結成・来日みたいな
形骸化したものだと落胆も大きいのでちょっと動けないでいる。(下・ジャケット)
2010-03-25 01:45
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